「Scene PV風」の演奏モーション解説1〜はじめに、ドラムパート前編

バンド系動画も増えてきたし、もしかしたらだれかの役に立つかもと。
ちなみにフル版の制作予定は無期限凍結したので\(^o^)/、その区切りのつもりでもある。
まず注意点として、自分は昔学生バンドでベースをちょっとやっていた程度の楽器経験で、演奏の実際や技術的なことに関しては、多少調べはしたもののヤバイところが多々あるだろう、ということを踏まえておいてくだしあ。

何はなくとも腕IKモデルを使う

演奏と腕IKの親和性は異常。もし使ってない人は今すぐVPVPwikiへゴー。
http://www6.atwiki.jp/vpvpwiki/pages/65.html

ドラム編

ドラムパートは腕IK1(ワールド座標固定型)を使う。

文章だけだとわかりづらいと思うので、Sceneのドラムモーションデータを公開することにした。中に「解説.txt」が同梱されているのでそれに従ってファイルを開いて見てみてください。うまく開けなくてもなんとも言えませんが…。
http://www1.axfc.net/uploader/He/so/171847.zip
PASS=mmd
カメラに映ってない部分はグダグダですね。タムの角度を後から変えた関係で変になっているところも。

■腕IKの管理について簡単に

腕IKを使う際は、「右腕IK、左腕IK」だけで腕の形を決めることはできない。手首から先が独立して管理されていることはすぐに理解できるが、それ以外に各ボーンの微調整も必要なことに気付くのに自分は時間がかかった。
IKを使って手首の位置に検討をつけ、「右腕、左腕」ボーンを使い脇の開き具合・ヒジの位置を決めたりする。また、腕を上に上げる動作の際には肩ボーンもそれに合わせて少し上に上げないとあまりよい形にならない。

■基本姿勢

ドラムスローン(イス)の位置や高さ、モデルの座らせ方などをまず設定する。
おれがドラマーだ!とかなら別だけど、「ドラム 講座」で検索するなどし情報や資料を集める。youtubeに講座動画などもたくさんあるので、参考に。
ドラムセット自体のセッティングも合わせて色々と調整した。
ここで問題になるのは腕の短さ。足の位置と角度を基準にセッティングしたところ、相対的に腕が短すぎて届かないところが多いことにモーションを大分作ってから気付いた。
リンを使うのには必然性があったので仕方がないが、腕の長いモデルを使う等、最初の時点で配慮してもいいと思う。

■ハンドワーク・刻み

叩くものにだいたい腕の位置を決めたら、腕IKと手首でアクションをさせる。
軽いタッチの部分であっても、手首だけでなく腕IKをほんの少しでも上下させることが肝心。手首だけだとぎこちなさが異常。
振り上げとヒットの二つのキーで管理しているが、基本的にはヒットキーの3フレーム前に振り上げキーを置いてある。叩く動作を3フレームで行っているということ。

ハイハット刻み→クラッシュといった流れの部分でも、基本的には

  1. ハイハットヒット
  2. クラッシュの振り上げ位置
  3. クラッシュヒット

というキーだけでつないでいる。クラッシュに関しては叩き動作は2フレーム。

■上半身

リズムに合わせて上半身を左右にユラユラ揺らしている。この動画の場合はそれほど大きな動きではない。
上半身は完全固定にしない方がいいが、大きく動かすと腕の位置がズレ、ヒット部分のキーなどをいちいち調整する必要が出てくる。スティックがあさっての方向に向いてしまうのだ。激しいアクションを伴うドラミング動画は多分かなりツライと思うので、有志は挑戦してみるといいと思う。
ただし、クラッシュシンバルを左→右と移行するとかタム回しの部分などは、タイミングを合わせて体を開くような形でのY軸の回転なども行っている。


余談として若干細かいことを述べると、腕IKの軌道はMMDの自動補間によって補間が直線ではない形になる、が上半身の回転はデフォルトでは直線であり、また振り上げ動作のキーとタイミングがややズレている。そのあたりのムーブメントの微妙な差異によって「動作感」は自動的に出たりする。

■ハンドワーク・単発ヒット

シンバル類やロール関係は素直に振り上げとヒットの組み合わせでだいたいいいのだが、単発のスネアのヒットなどはそれだけだともの足りなさが出る。
スネアの動作で打っているキーは腕IKと手首だが、

  1. ヒット
  2. リバウンド吸収(2フレーム)
  3. 微妙に位置を動かすが、周辺に置いておく(8フレーム)
  4. 振り上げマックスに移行(8フレーム)
  5. ヒット(3フレーム)に戻る

といった4点で成り立っている。
ヒットした瞬間のキーの2フレーム後に、手首キーを右下アイコンでほんのわずかだけ打面から浮かせることによって「叩いたリバウンドを手首で吸収している」ような動作を出している。これをやるとグッと「叩いている感」が出るのでオススメ。
で、次の動作まではまだ間があるので、わずかに位置は上げるのだがスネア周辺に置いておき、ややゆったりと振り上げ動作をさせ、3フレームで叩く動作をする、という流れ。
ここらへんは実際のドラム映像を見ると結構個性が出たりニュアンスがあったりと色々難しい部分。自分の作ったのは全然リアルではない。が、「それっぽさ」は出せたと思う。



続く