「Scene PV風」の演奏モーション解説5(完結)〜弦楽器3

ベース編

音的にはピック引きの方が合うのでは?とか思ったりはしたものの指弾きにした理由は、「ギターではないことがパッと見でわかるように」です。ビジュアル優先。
レフティーなのも同じ。バンド全体を捉えたショットで左右にネックが広がったシルエットが欲しかったので。

■指引き

指の交互の動きは基本的5フレームで伸ばしと曲げをさせておて、補間を結構キツイS字にして動きを出している。ただし、「指が弦に触れ、はじいて次の弦に当たって止まる感じ」など、細かいニュアンスを出そうと思うとおそらくドツボにハマると思ったのでディティールはそこそこで詰めた。
ここで手首は移弦するとき以外は置いたままのように見えるが、指が動くたびに腕IKをほんの少しだけ上下させて常に動くようにしてある。地味なようで結構違いが出る。


それと、実際の演奏に比べると指をバタバタ大きく動かしすぎなのだがこれは見た目のわかりやすさを優先した。
なぜかと言うと、アクセサリは「弦の振動」を出せないのだが、ギターに比べ弦一本が太いベースの場合それ目だって変な感じがしてしまう。レンのモーションで大きく体を動かしてノリノリにしているのは、弦が振動しないのを誤魔化すためという面も。
ただし、モーフなりなんなりで弦の振動を設定できるとしても、それはそれで管理するのは大変だと思う。どこからどこまでのタイミングで振動させて停止させるか検討するとか…。

■フィンガリング

指の形自体は事前に5つ程度のパターンを作成しておいて、それをランダムに適当に当てはめて感じを出している。
右手の弦と合わせたポジションについては、音の高低なんかで「多分こうきてこんな感じ」と。細かいフレーズで音が上がっているからここは3弦に来て、そのあとここで4弦のここらへんに戻ってだろう、とか。
誤解のないように言っておくと、パッと音を耳でとって脳内でフィンガリングに落としこめるようなスキルはありません。雰囲気レベル。
それと、ギターとも共通しているのだけれど「親指を上から握りこむ形」は使わないようにしている。なぜかと言うと、手首の角度が大きく変わるので中間で無理が出やすいことと、親指のボーン構造の問題で「握る」という形が作りづらいので。

■楽器を持ち上げる動作

実際の楽器演奏では頻繁に現れる、ネックを手で持って角度を変えるような動作。
これはやろうとすると実はけっこうめんどくさい。
楽器アクセサリをつけてあるボーンを回転や移動させて位置を変えるのだけれども、移動後の地点にネックの持ち手を合わせても間で手が外れることがよくある。
これの最大の原因はIKの位置移動と回転の自動補間の方法の違い。移動可能ボーンのキーフレームは自動的に補間が曲線的になされる。大して回転の補間は基本的に常に直線。そのあたりの補間挙動の違いのせいで、始点と終点が合っていても途中の動きがズレてしまう。
なので、ネック持ち上げ動作に関連したキーの補間曲線を全部同じものに統一すればよい。ただし、自分が実験した範囲では曲線で合わせてもどうにもトラブルが起こることが多かった。なので移動ボーンの補間を全部直線にしている。
これでだいたいはよくなる。それでも中間フレームも合わせてキッチリ位置あわせをするのはなぜかうまくいかなかったりも。


では、楽器に追従して手が動けばいいのでは?とは考えても、当然持つ場所や持ち方は頻繁に動かすので、追従してほしいときと追従してほしくないときがあるというか、それが同時に起こったりもする。
このあたりをうまく解決できるようなボーン構造をだれか考え出さないだろうか…。自分はわかりませんでした\(^o^)/

まあ、演奏モーション見て「体に対する楽器の位置が固定されすぎ?」と思ったことがある人は多いと思うのだけど、これを動かすのはかなーりツライということで。うまいやり方はないものか。

おわり

予想通りダラダラと長くなったけれどこんなものかと。
腕IKの力を使っているだけで、そんなに複雑なことはしていない…と思うのだけど。