複数のtoon.bmpを適用した出力画像の重ね合わせによる陰影の重層化その3〜NiVEでの合成
NiVEでの合成
ここからはNiVE1を使って素材を合成します。プラグイン「レベル補正は必須です。
ちょっと専門的な話題ですが、意図的にクリッピングを利用するので、内部的に色深度が32bitで処理されているらしいAEでは同じことができないかも?
読み込みから落ち影を整えるまで
まず素材ファイルを読み込みます。
「*」は「素材」を示す記号としてつけています。
白(255.255.255)のカラーイメージを作成して読み込み「落ち影」とリネームし、「*セルフシャドウ」を乗算します。
また、別にアイテムのシャドウコピーを読みこみ「*セルフシャドウキャンセル」をコピーし、「色調反転」をかけて白黒を逆転させ「@反転セルフシャドウキャンセル」とリネームします。「@」はシャドウコピーを示す記号とします。
さきほどの「落ち影」に戻り、「@反転セルフシャドウキャンセル」をスクリーンで合成。
これで陰影の落ち影部分を取り出すことができました。
陰影のうち、光源の裏側にあたる面の陰が「*セルフシャドウキャンセル」であり、それを反転してスクリーン合成(乗算の逆で、明るくなる)をかけることで陰影のうちのものの「陰」の部分をクリッピングで白飛びさせて飛ばしているわけです。
セルフシャドーの落ち影を整えるため「ガウスブラー」をかけ、ブラーをかけることによって影が少し縮小してしまうので「グロー」を焼きこみ(リニア)で適せんかけ影を膨張させます。
これでセルフシャドーのノイズがとれました。
再度シャドウコピーを読み込み、「落ち影」をコピーし「@落ち影」とリネームしておきます。なぜこんなことをするかというと、ブレンド合成したアイテムをさらに他のアイテムにブレンドしたいときには、シャドウコピーを経由させないとエフェクトがかかる前の素材の状態で合成されてしまうからです。
陰影の統合
別に白イメージを読み込み「陰影合わせ」とリネームし「*陰影補正」を乗算した上で以下のように「レベル補正」をかけます。
さらに「@落ち影」と「*セルフシャドウキャンセル」を乗算します。
仕上げに「レベル補正」のRGBモードなどで少し色味をつけます。白色部分には色がつかないよう、陰影のみに色をつけます。これは最後に合わせるときにわかるのですが、陰影を単なるグレーにせず色相の変化をつけることで色に深みを出すためです。
また、これなら最初から単純に「*セルフシャドー」にブラーをかけるだけでもいいようにも思えますが、それだと陰影からキレがなくなってズレやすくなることと、このあと行う陰影の中に光を入れる合成をするために落ち影の分離する必要がありました。
陰影の中の光
「陰影の中に入っている光」を作ります。基本的な概念はこちらの動画から学ばせていただきました。
きぃら~☆的お絵描き講座2♪【色塗前の基礎知識編】 - ニコニコ動画
白イメージを読み込み「反射光裏側」とリネーム。「*陰影補正」を乗算し「色調反転」をかけ「@反転セルフシャドウキャンセル」を乗算します。
陰影の中の「裏の陰側」が白くなっているのがわかると思います。
「レベル補正」で陰影を整え、さらにもうひとつレベル補正をRGBなどでかけ色味をつけます。おもに地面からの照り返しなので、草の緑を意識。これは黒地に色がつかないようにします。
また別に白イメージを読み込み「反射光落ち影」とリネームし、「@落ち影」を乗算し「色調反転」をかけます。落ち影の部分が白く抜けることになります。
さらに「*陰影補正」を乗算し、さきほどのようにレベル補正を2重にかけ陰影を調整し色味をつけます。今度は黄色っぽくしてみました。
全体を統合しバランスをとる
「陰影合わせ」「反射光裏側」「反射光落ち影」のそれぞれのシャドウコピー「@陰影合わせ」「@反射光裏側」「@反射光落ち影」を作成しておきます。
白イメージを読み込み「統合参照」とリネームし、「@陰影合わせ」を乗算で、「@反射光裏側」と「@反射光落ち影」を焼きこみ(リニア)で合成。
合成順を「後ろ」にしておき、それぞれブレンド率を調整して全体のバランスを見ます。
同時に「統合参照」のシャドウコピー「@統合参照」を作成し、これを「*原版」に乗算して完成形もチェックし、各種レベル補正なんかの微調整をしたりして仕上げです。
あとはこれをプリコンポーズしてほんの軽くブラーをかけてノイズをごまかしたり色調を補正したり。最近は彩度のトップを落とすのがマイブーム(死語)です。