MikuMikuMovingのいいところ
MikuMikuMoving開発ページ - moggproject
MMMがベータ版として紹介動画・マニュアル合わせて公開されましたね。
ここでMMMの独自機能を紹介します。
モーション作成支援機能が充実
■ボーンの多層レイヤー化
モデルのボーンを改造しなくともひとつのボーンの挙動を複数レイヤーにして管理できます。やり方はタイムラインのボーン名欄を右クリックして行を追加するだけ。モーションの修正や複合的な動作を簡単に行えます。
■カメラも多層レイヤー化
多段化できなかったカメラも、レイヤー化でより繊細な操作や修正が可能に。ランダムなモーションキーで手ブレを付加することなどもできるでしょう。また、カメラ操作アイコンの中段に「カメラ本体を中心にした回転」が加わりました。距離をゼロにしなくともカメラの首を振るパン動作ができるようになっています。
■タイムライン上の操作機能が充実
タイムライン上のキーフレームをドラッグで移動可能。複数選択してもまとめて動かせます。またタイムライン上でダブルクリックすることで各ボーンのキーを登録したり、右クリックからキーのコピーやペーストができます。
そして、ボーン・表情モーフ・表示IKのキーが一元管理されているのでフレームの挿入や削除でズレることもありません。タイミングの調整が簡単にできます。
■ボーン先を持って回転
メインスクリーンでボーンを選択しそのままオレンジ色になった状態でドラッグすると、ポインタの位置を追うように回転ボーンが回転します。IKのようなハンドリング感覚で回転ボーンの操作ができます。
■補間曲線パレット機能
ボタンひとつでプリセットされた6種類の補間曲線が設定できます。プリセットは自分でカスタマイズすることができるので、よく使うものを記憶しておいていつでも取り出せます。
モーション関連機能
■センター位置バイアス付加がわかりやすく
移動だけでなく、回転もさせることができるように。スライダーで確認しながら位置を決めることができます。モーションキーを選択しなくともよく、グループダンスでのモデル配置などが簡単です。
■タイムラインの拡大縮小が扱いやすく
MMMでは全体的にモーションデータの扱いがMMDより軽快になっています。
また、タイムラインの中間一部を拡大する操作では、MMDでは選択範囲より後ろのキーと拡大したキーが二重化してしまうことがある仕様でしたが、MMMではキーフレームの一部分を拡大縮小し、前後はそれに合わせて詰められる仕様となり扱いやすくなっています。
■1秒あたりのキーフレーム数が変更可能
モーション作成のタイムラインを1秒=30フレーム以外に変更できます。60fpsなどの高fpsでのモーション作成や、逆に12fpsや8fpsに落とした2Dセルアニメチックな表現も作成しやすくなりました。
■視点位置ジャンプ機能
画面上のモデル(ポリゴン表面)を右ダブルクリックすることで視点の中心をそこに移すことができます。複数のモデルを管理している場合や、広い環境背景でカメラを移動させる際にとても便利です。
■独自形式モーションデータ(mvd)で幅広い機能を管理
MMMの独自形式で、多層レイヤー化したモーションデータが保存できます。
それ以外にも、「表示・IKのオンオフ」「物理演算のオンオフ・静止モード」「セルフシャドウ描画距離・色の濃さ」「加算合成モード」「エッジの太さ・色」などの多様なデータを保存して読み込むことができます。
表情モーフ機能の拡充
■タイムライン上でさまざまな操作が可能
タイムライン上をダブルクリックするだけでキーフレームが登録できます。さらにそれを上下にドラッグすることでモーフ量を変化させられます。モーフの変化がタイムライン上で視覚的に確認でき、非常にやりやすいです。
■表情モーフに補間曲線が設定できる
表情モーフにも補間曲線が設定できるようになっています。
より繊細な表情づけや拡大縮小でのパーツの出現・消失といったモーフへのニュアンスづけ。さらにpmxでは材質・UV・ボーンモーフが追加されているので、それらを組み合わせるとより多彩な表現が可能になります。
■コラム「モーション作成をMMMで」
MMMではモーション作成関連機能が充実していますが、MMEへの対応など不完全な部分がまだあります。
たとえばモーショントレースなどであれば、ボーンのレイヤー化といった機能は使わずにMMM上で作成し、vmdデータを書き出してMMDに移動し最終的な書き出しを行うといった使い方をしてもいいでしょう。
オーディオ機能の拡充
■複数トラック
オーディオタイムラインで複数のオーディオファイルを扱うことができます。タイムライン上でファイルをドラッグすることで開始位置の移動も可能。BGMに効果音をのせていくといった簡単な編集ならばMMM上だけでも完結できます。
■音声ファイル形式にmp3も対応
wavだけでなく、mp3,wmaも読み込むことができます。
かゆいところに手が届くインターフェイス
■ウィンドウレイアウトの自由度が高い
メインスクリーン、キーフレームタイムライン、オーディオタイムライン、字幕タイムラインをそれぞれ別ウィンドウにして配置できます。また、設定からメインスクリーン内の操作アイコンの配置を左右に変更できます。ディスプレイ環境などからやりやすい配置を選択してみましょう。
■ブックマーク機能
フレームの好きな位置にブックマークを置くことができます。これを使って指定フレームへジャンプしたりブックマーク間を再生してプレビューするといったことができます。構成上の切り替え点や、作業中のプレビューの目印にしておくと便利です。
■再生時のオーディオ音量が調整可能
音量スライダーをいじることでプレビュー時の再生音量が調整できます。他のソフトとのバランスがとれます。
物理演算の付加機能
■常に同じ結果を描画するように
MMMでは同じフレームから再生・録画をした場合物理演算が同じ挙動を示すようにしています。(未検証であり、完全ではない可能性があります)
モデル自体を改造しトラックマット化するなど、複数回レンダリングした処理が簡単になります。物理演算の挙動が思い通りでなければ、演算シード値を変えることで異なる挙動に変更できます。
■物理演算の焼き込み
物理演算の挙動を全フレームにキーを打ち固定することができます。
これを行うことで、ひとつのモデルに何度でも同じ動きをさせることができるため、複数回出力してより複雑な合成を行うといったことができます。
また、固定したあとでフレームの拡大縮小をしてのスロー表現といったことが簡単にできます。
■静止状態でのプルプルを防ぐ演算モード
ドラマなど、モデルがあまり動かないシーンで髪の毛などが振動してしまうことを防ぐ「静止モード」が実装されています。このモードでは逆に大きく動くと破綻してしまうのですが、静止モードや物理演算自体のオンオフもキーフレーム登録して切り換えることで対応できます。
■物理ボーン非表示の選択
物理演算に紐づいたボーンの非表示をオンオフできます。
MMDでは「常に演算」モードで非表示になりますが、非演算モードでも非表示にできるので多数のモデルを扱っていて非物理状態でモーションを作成している際にも邪魔になりません。
描画関連機能の拡張
■MMEに対応
MMEのfxファイルに対応しています。
ただ、すべてのMMEがそのまま扱えるわけではありません。
(参考※MMMで使えるMMEエフェクト、または使うためにどうするか、など - えむえむでえ
また、fxファイルのオンオフやいくつかのパラメータをソフト内で扱い、キーフレームを登録してタイムライン上で変化させることができます。
■字幕作成機能
字幕モードに切り替えた上でメインスクリーン上をダブルクリックするとテキストを配置できます。フォント指定や表示のフェードなどの基本的な編集が可能。
■セルフシャドウバッファの指定
シャドウバッファサイズを大きく指定することでセルフシャドウの精度が上がります。MMDの隠しコマンドでCtrl+Gを使った場合よりもバッファを大きくできます。ただしPCの負荷が大きくなるので、作業中は小さめにしておいてもいいでしょう。
■複数光源が利用可能
照明を複数設置し、セルフシャドウの陰影を複数方向に出すことができます。方向や照明の色味を調整することでより重層的な表現ができそうです。
■描画順序設定および自動Zソート
モデルとアクセサリの描画順を一括でまとめて並べ替えることができ、使い分けに悩まなくてすみます。また、自動Zソートをオンにしておくと、半透過モデルでどちらが奥にあるかを自動的に判定し奥側にあるモデルが消えてしまうことがなくなります。
■描画限界距離の指定
設定の視界深度で、ポリゴンを描画するカメラからの距離範囲を指定できます。MMDの限界距離の約10倍まで設定できますが、距離が広くなると負荷が大きくなるので適度にしておきましょう。
データ保存の安心機能
■自動バックアップ
指定した時間間隔でバックアップを保存させておくことができます。また異常終了時にはリカバリファイルを読み込んで復活もできます。
■モデルの改造、ファイルパス移動に対応
プロジェクトファイルで使用しているモデルを改造しても問題なく読み込まれます。
また、モデルがみつからないときは指定ダイアログが出ますが、元のモデルと異なるモデルを指定して読み込むこともできます。
バグ報告・エラーログなど
バグや不具合は自分の環境情報や発生条件を詳細にしてから報告しましょう。再現できないけどこんなことが起こった、というだけでは対処はかなりむずかしいようです。どうやったらその現象が起こるかを自分で調べて詰めるとより効率的に問題解決が進むと期待されます。
また、MMMがエラーを起こしたときはMMMのあるフォルダの中にerror.logというテキストファイルが作成されています。それをメモ帳などで開いて内容をコピペした上で報告すると役に立てる可能性が上がります。